相談事項 その2

「遺言」って、資産家だけの話だよね?


回答: 資産家だけではありません。遺言は多くの方に必要なものです。


かって「遺言」は、資産を溢れる程に持っている人達の話、あるいは、サスペンスドラマや推理小説など話を面白くするため小道具、まるで一般庶民には無縁のもの、そう考えていました。

けれども、日本公証人連合会の調べによると、1989年では公正証書遺言作成件数が40,941件だったところ、2007年には74,160件と20年で1.8倍に変わってきています。
これが意味するところは、高度経済成長期を経て、金銭的に裕福になられた方が増えたことのみならず、地価や株価の上昇等、保有資産の価値が増加したことなど、多岐にわたる理由で、相続にあたって遺言を作成することが、必要あるいは有益だと考える方が多くなったためだと思われます。

   

「誰のためか?」

本来、財産というものは、自分が愛おしいと思う人間のために遺す物であって、そういう対象者がいないのであれば、どこかの財団にでも全額寄付してしまえ、という話になってもおかしくないわけです。特に自分の道は、自分で切り開けというタイプの親などは、そう考えるかもしれません。

    

けれども、やはり親というのは子供が心配なわけで、子供のためを思って、自ら蓄え、培った資産を遺してあげようと考える方が圧倒的に多いわけです。

    

「愛と平和を守るために」

子供のためにという親の意に反し、子供達が争い合う、そんな悲しい結末が引き起こされる場合があります。特に、相続において「遺言」がない場合、「相続」は「争族」に変貌します。

    

親が「遺言」を残さなかったばかりに、子供達が反目しあう、そんなことを望んでいる人はどこにもいないでしょう。親の心子知らず、そんな状態が無駄に生み出されないようにする。それは親の役目でもあります。


「財産の多寡によらない」

そうは言っても、「争族」が起きるのは、多額の財産を有している場合だろう、そう考える方が多いのですが、実際は決してそんなことはありません。

むしろ分けられる財産が少ないほど、「争族」が生じる可能性が高くなるのです。
「相談事項その6」で説明していますが、主な財産が居住用不動産の場合は、気を付けなければなりません。


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