相談事項 その11
「信託」を活用した相続ってどうなの?
回答: 一定の場合において有効な手法だと思います。
「信託」とは信託法3条に規定され、かいつまんで要約すると、自分の財産の管理運用等を契約や遺言によって、第三者(信託会社等)に委託することをいいます。なお信託会社は登録制となっており、金融庁の監督下にあります。
「信託を検討する場合とは」
例えば、相続人が未成年しかおらず、頼りになる身内がいないような場合、あるいは、離婚してしまったものの、子供には財産を遺してあげたい、というような場合などが想定されます。
未成年の子供達が成人し、自らの財産を管理できるようになるまで、財産を委託することができる信頼できる人がいれば良いのですが、必ずしもそういう方が身近にいるとは限りません。それに自分の死後のことですから、信頼していた方の状況も変わるかもしれません。
せっかく、子供のために遺したつもりの財産が、子供の手に渡らなかった、そんなことがないように、信頼のおける信託会社を活用し、財産管理をお願いするというのは有用な手段です。
子供が判断能力を有するようになるまで、財産管理を遺言通りに信託会社が執行する。そのうち、子供が成人し、管理能力を有するようになったら、残りの信託財産を全て与えるなど、活用の仕方は無数にあります。
上記以外でも、信託を活用することにより、亡くなった方の意思を反映させた財産分与が可能となる場合はいくらでもあるでしょう。
費用対効果を考えながら、信託の活用を検討することをお勧めいたします。